- 教養小説(主人公の精神的成長を描く、ドイツ発祥の小説形式)は英語でBildungsroman /ˈbɪldʊŋsroʊˌmɑːn/(名詞)。
例文: A Bildungsroman traces its protagonist's moral and psychological growth from youth to adulthood.
教養小説は、主人公の道徳的・心理的成長を若年期から成人期までたどる。
- ピカレスク小説(悪漢を主人公とする滑稽で風刺的な、スペイン発祥の小説形式)は英語でpicaresque novel /ˌpɪkəˈrɛsk ˈnɑːvəl/(名詞)。
例文: In a picaresque novel, a roguish hero moves from one comic adventure to the next.
ピカレスク小説では、悪党じみた主人公が次々と滑稽な冒険を繰り広げる。
- ヌーヴォー・ロマン(伝統的な筋書きや人物描写を排した20世紀フランスの実験的小説運動)は英語でNouveau Roman /nuːˈvoʊ roʊˈmɑːn/(名詞)。
例文: Writers of the Nouveau Roman abandoned traditional plot and character in favor of pure description.
ヌーヴォー・ロマンの作家たちは、伝統的な筋書きや人物描写を捨て、純粋な描写を重視した。
- シュトゥルム・ウント・ドラング(理性より感情や個の反抗を重んじた18世紀ドイツの文学運動)は英語でSturm und Drang /ˌʃtʊrm ʊnt ˈdrɑːŋ/(名詞)。
例文: Sturm und Drang writers valued raw emotion and individual rebellion over Enlightenment reason.
シュトゥルム・ウント・ドラングの作家たちは、啓蒙主義の理性よりも、むき出しの感情と個人の反抗を重んじた。
- 武勲詩(シャルルマーニュ大帝らの武勲を歌った中世フランスの叙事詩)は英語でchanson de geste /ˌʃɑːnsɑ̃ də ˈʒɛst/(名詞)。
例文: The Song of Roland is the most famous example of a chanson de geste.
『ローランの歌』は、武勲詩の最も有名な例である。
- モデル小説(実在の人物や出来事を仮名で描いた小説)は英語でroman à clef /ˌroʊmɑːn ə ˈkleɪ/(名詞)。
例文: Readers tried to identify the real people hidden behind the characters in the roman à clef.
読者たちは、そのモデル小説の登場人物の背後に隠された実在の人物を特定しようとした。
- 不条理演劇(人生の無意味さや不条理を描く20世紀の演劇様式)は英語でtheatre of the absurd /ˌθiːətər əv ði əbˈsɝːd/(名詞)。
例文: Plays in the theatre of the absurd often feature illogical dialogue and a lack of clear meaning.
不条理演劇の作品では、しばしば非論理的な会話や明確な意味の欠如が見られる。
- 世界苦(理想と現実の落差から生じる深い倦怠・憂鬱)は英語でWeltschmerz /ˈvɛltʃmɛrts/(名詞)。
例文: The poet's letters are filled with a pervasive Weltschmerz, a weary sense that the world can never live up to his ideals.
その詩人の手紙には、世界が自分の理想に決して応えてくれないという疲れ切った感覚、すなわち根深いWeltschmerzが満ちている。
- 一人の人物や一家族の生涯・複数世代を、独立した長編小説を連ねる形で描く、フランス発祥の大河小説という形式。は英語でroman fleuve /roʊˌmɑːn ˈflɜːv/(名詞)。
例文: A roman fleuve follows its characters across multiple linked novels, often spanning several generations of a family.
大河小説は、しばしば一家族の複数世代にわたって、連なる複数の小説を通して登場人物たちを描く。
- 手紙(書簡)のやり取りという形式によって物語が進行していく小説の様式。は英語でepistolary novel /ɪˈpɪstələri ˈnɒvəl/(名詞)。
例文: An epistolary novel unfolds entirely through the letters its characters exchange, without any conventional narrator.
書簡体小説は、従来の意味での語り手を介さず、登場人物同士が交わす手紙だけを通してすべてが展開する。
- 直接的な描写ではなく暗示や音楽性を通じて、理念や感情を象徴的に表現しようとした、19世紀末フランスの詩の運動。は英語でFrench Symbolism /frɛntʃ ˈsɪmbəlɪzəm/(名詞)。
例文: French Symbolism favored suggestion and musicality over direct description, aiming to evoke rather than to state.
フランス象徴主義は、直接的な描写よりも暗示と音楽性を重んじ、明言するのではなく喚起することを目指した。
- 陰鬱な気候や社会批評的な視点を背景に、犯罪と社会の暗部を描く、北欧発祥の犯罪小説というジャンル。は英語でNordic noir /ˈnɔːrdɪk nwɑːr/(名詞)。
例文: Nordic noir novels typically pair a bleak Scandinavian setting with sharp criticism of social institutions.
北欧ノワールの小説は通常、陰鬱な北欧の舞台設定と、社会制度への鋭い批判とを組み合わせている。
- 決まった台本を持たず、仮面をつけた道化的な定型人物が即興でせりふを演じる、16世紀イタリアに起こった演劇様式。は英語でcommedia dell'arte /kəˌmiːdiə dɛlˈɑːrteɪ/(名詞)。
例文: Commedia dell'arte relied on stock masked characters and improvised dialogue rather than a fixed, written script.
コンメディア・デラルテは、固定された台本ではなく、定型の仮面をつけた登場人物と即興のせりふに頼っていた。
- 退廃や人工美、感覚の耽溺を美として称揚し、道徳的な進歩や自然賛美に反発した、19世紀末ヨーロッパの文学・芸術運動。は英語でdecadent movement /ˈdɛkədənt muːvmənt/(名詞)。
例文: The decadent movement celebrated artifice and sensory excess in defiance of conventional morality and belief in progress.
デカダン運動は、従来の道徳観や進歩への信念に反発し、人工性と感覚の過剰を称揚した。
- 人間が本質を持たずに存在し、自らの選択と行動によって自己を作り上げていくという思想を主題とする、20世紀ヨーロッパの文学潮流。は英語でexistentialist literature /ˌɛɡzɪˈstɛnʃəlɪst ˈlɪtərətʃər/(名詞)。
例文: Existentialist literature explores the anxiety and freedom that come from confronting a universe without inherent meaning.
実存主義文学は、本質的な意味を持たない世界と向き合うことから生じる不安と自由を探求する。
- 機知に富んだ滑稽な筋立てで、しばしば下世話な題材や性愛を扱う、中世フランスの韻文による短編物語というジャンル。は英語でfabliau /ˈfæbliˌoʊ/(名詞)。
例文: A fabliau typically features a clever trickster who outwits a foolish husband, priest, or merchant for comic effect.
ファブリオーは通常、間抜けな夫や聖職者、商人を出し抜く狡猾な策士を主人公とし、こっけいな効果を狙う。
- 騎士の武勇・冒険・恋愛を理想化して描く、中世ヨーロッパに広まった物語文学のジャンル。は英語でchivalric romance /ʃɪˈvælrɪk roʊˈmæns/(名詞)。
例文: Chivalric romance idealizes the knight as a paragon of courage, loyalty, and devoted love.
騎士道物語は、騎士を勇気と忠誠、献身的な愛の理想像として描く。
- 身分の高い既婚の貴婦人への、献身的でしばしば成就しない恋慕を理想化して描く、中世ヨーロッパの文学的な恋愛観。は英語でcourtly love /ˈkɔːrtli lʌv/(名詞)。
例文: Courtly love idealizes a knight's devoted, often unconsummated passion for a noble lady of higher rank.
宮廷風恋愛は、身分の高い貴婦人への、しばしば成就することのない騎士の献身的な情熱を理想化して描く。
- 暗い雰囲気と道徳的な曖昧さ、暴力を特徴とする、フランス発祥の犯罪・ゴシック小説というジャンル。は英語でroman noir /roʊˌmɑːn nwɑːr/(名詞)。
例文: A roman noir plunges its characters into a morally ambiguous world of crime, violence, and shadowy urban settings.
ロマン・ノワールは、登場人物を犯罪と暴力、影の多い都市を舞台にした道徳的にあいまいな世界へと引きずり込む。
- 芸術家としての主人公が経験や苦悩を通じて自らの創造的な使命を見出していく過程を描く、教養小説の一種であるドイツ発祥の小説形式。は英語でKünstlerroman /ˈkʏnstlɐˌroːmaːn/(名詞)。
例文: A Künstlerroman traces its protagonist's growth not merely as a person, but specifically as an emerging artist.
künstlerromanは、主人公の成長を単なる人間としてだけでなく、まさに芽生えつつある芸術家として描き出す。
- 芸術のための芸術ではなく、社会や政治への関与・責任を積極的に引き受けるべきだとする、フランス発祥の文学理念。は英語でlittérature engagée /ˌlɪteɪˌrɑːtjuːr ɒ̃ɡaʒeɪ/(名詞)。
例文: Littérature engagée holds that writers cannot remain neutral bystanders to the political struggles of their time.
アンガージュマン文学は、作家は自らの時代の政治的な闘争に対して中立な傍観者ではいられないという立場を取る。
- 理想化を避け、庶民の日常生活や情念をありのままに描こうとした、19世紀末イタリアの文学・オペラの写実主義運動。は英語でverismo /vɛˈriːzmoʊ/(名詞)。
例文: Verismo writers turned away from Romantic idealization to portray the harsh, everyday lives of ordinary people.
ヴェリズモの作家たちは、ロマン主義的な理想化から離れ、庶民の過酷な日常生活をありのままに描いた。
- 民間伝承として口承で伝わってきた昔話とは異なり、個々の作家が独自に創作した、芸術的意図を持つドイツ発祥の文学的おとぎ話。は英語でKunstmärchen /ˈkʏnstˌmɛːɐ̯çən/(名詞)。
例文: Unlike a folk tale passed down anonymously, a Kunstmärchen is a fairy tale consciously composed by a single identifiable author.
作者不明のまま伝えられる昔話とは異なり、künstmärchenは特定の一人の作者によって意識的に創作されたおとぎ話である。
- 幽霊や超自然的な恐怖、陰謀を主題とする、18世紀末から19世紀初頭にかけて流行したドイツ発祥のゴシック小説の一様式。は英語でSchauerroman /ˈʃaʊɐˌroːmaːn/(名詞)。
例文: The Schauerroman traded in ghosts, secret societies, and supernatural terror much like its English Gothic counterparts.
シャウアーロマンは、英国のゴシック小説と同じように、幽霊や秘密結社、超自然的な恐怖を題材とした。
- 小説の連載や文芸評論、軽妙な時事随筆などを掲載する、ヨーロッパの新聞に設けられた文化欄、またはそこに掲載される文章。は英語でfeuilleton /ˈfɔɪətɒn/(名詞)。
例文: Many 19th-century European novels were first serialized in the feuilleton section of a daily newspaper.
19世紀ヨーロッパの多くの小説は、まず日刊新聞のフイユトン欄に連載される形で発表された。
- 目的を持たず都市の街路をぶらつきながら、群衆や風景をひそかに観察する都市生活者を指す、フランス文学に由来する人物像。は英語でflâneur /flɑːˈnɜːr/(名詞)。
例文: The flâneur wanders the city streets with no particular destination, quietly observing the crowd from a detached distance.
フラヌールは特に目的地を持たず都市の街路をさまよい歩き、距離を置いた立場から静かに群衆を観察する。
- 政治的な混乱を避け、家庭的で穏やかな市民生活の情景を好んで描いた、19世紀前半のドイツ語圏における文学・美術の様式。は英語でBiedermeier /ˈbiːdərmaɪər/(名詞)。
例文: Biedermeier literature favored modest domestic scenes and quiet contentment over grand political or revolutionary themes.
ビーダーマイヤーの文学は、壮大な政治的・革命的な主題よりも、つつましい家庭の情景と静かな満足感を好んだ。